ファイルサーバ移行 PRIMERGY TX1330 M2

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FUJITSU Server PRIMERGY TX1310 M1で構築したファイルサーバですが、かれこれ2年半くらい稼働でストレージ容量が一杯になってしまいました。昨年の秋頃にJust MyShopで安売りしていたTX1330 M2を寝かせたままということもあり、サーバを移行することにしました。

HDD装着

HDDはバイト単価の安いWD60EZRZ-RTを4個購入。TOSHIBAのMD系列は最近安売りを見かけませんね。あのゴリゴリ音から離れるのは名残惜しいですが、WD Blueで組みます。

さて、HDDを装着…といきたいところですが、TX1330 M2は専用のHDDマウンタが必要です。私はJust MyShopで2台購入したのですが、初回購入時にはマウンタは付属せず、2回目の購入時には2台分のマウンタが付属していました。残り2台分はなんとかしないといけません。一応、ヤフオクやottoなどで3, 4千円ほどで出回っていますが、サーバ本体価格との比率を考えると損した気分になります。

貧乏根性で付属のダミーマウンタを改造して利用できないかと考えたのですが、骨折り損でした。樹脂の板の厚みが純正マウンタの金属板よりも厚いので、端子側の面を取っ払ってHDDを装着しても横幅が支えて挿入することができません。本当にダミーマウンタを活用するなら、正面のパーツのみを残して両側面のフレームを自作することになりそうです。

TX1330 M2 HDDマウンタ

TX1330 M2 HDDマウンタ(左:加工途中、右:加工前)

似たようなことを考えている人も見つけました。

4th quadrant: 富士通 PRIMERGY TX1330M2 その8・3.5インチHDDキャディ

最終的には全てが面倒になったので、加工を途中で諦め、ボール紙を適当に突っ込んでHDDを固定することにしました。このまま筐体を移動させたり大きな振動を与えたりしない限りは問題ないでしょう。「顧客が本当に必要だったもの」ということで。

TX1330 M2 HDD装着

ファンの交換

TX1310 M3はそこそこ静音だったのですが、TX1330 M2はある意味ちゃんとしたサーバ機なので、それなりの稼働音がします。データシート上では約34dBとのことですが、ファンが全力回転すると壁の薄いアパートでは苦情が来そうなレベルの音がします。

CPUクーラーの前後には、Delta製QFR1212EHE-6H31という120mm角 38mm厚のシステムファンが2個搭載されています。Pentium G4400にはあまりに大袈裟な冷却ファンですので、適当な静音・低速度なファンに交換します。

交換用のファンとして、サイズのKAZE FLEX 120 PWM(SU1225FD12M-RHP)を2つ買ってきました。早速交換してみたのですが、片方だけCSSエラーが出てしまいました。接続するファンコネクタを変えても一方のファンだけエラーが発生するので、この個体が悪いようです。エラーの判定にはパルスを見ているとは思いますが、条件はよく分かりません。とりあえず、手持ちの1200rpm固定のファンに取り替えてみたところ、エラーは出ませんでした。

これで大分静かになったのですが、今度は電源モジュールに使われているファンの音が気になってきます。冗長構成可能な電源なので、モジュールの形状の制約から小口径のファンが使用されています。こいつがフル回転すると今にも離陸しそうな騒音を発するのですが、交換も難しいし、ファンテスト時くらいしかフル回転しないので我慢することにしましょう。

iRMC ファン

FreeNASセットアップ

あとはFreeNAS 11.2を淡々とセットアップしていきます。

あるTOSHIBAのUSBメモリへインストールしようとしたところ、「random: unblocking device」と表示された後、一向にインストールが進まないという現象が発生したのですが、別のUSBメモリに変えたら解決しました。原因はよく分かりません。

また、UEFIでブートするようにセットアップした場合は、適宜BIOS設定を変更する必要があります。

FUJITSU Server PRIMERGYにおける留意事項: UEFI対応情報

そして、プールの構成ですが、HDD*4台でRAID-Zで組みました。そういえば、FreeNAS 11.2から新しい管理画面UIがデフォルトになったんですね。慣れるまで時間がかかりそうです。

pool: tank
 state: ONLINE
  scan: none requested
config:

        NAME                                            STATE     READ WRITE CKSUM
        tank                                            ONLINE       0     0     0
          raidz1-0                                      ONLINE       0     0     0
            gptid/09bf49ac-175a-11e9-9e49-901b0ed28a97  ONLINE       0     0     0
            gptid/0b88dedd-175a-11e9-9e49-901b0ed28a97  ONLINE       0     0     0
            gptid/0cf92820-175a-11e9-9e49-901b0ed28a97  ONLINE       0     0     0
            gptid/0e7c3693-175a-11e9-9e49-901b0ed28a97  ONLINE       0     0     0

データ移行

SATAポートが足りなくて移行元のHDDを直接接続できないので、LAN越しに転送します。ZFSはzfs send/recvを使って簡単にストリームとして扱うことができるので、大変便利ですね。

今回は悪い人が居ないLAN上での作業なので、SSHなどによる暗号化通信は不要です。パフォーマンスを考えて、mbuffer(1)を使って転送します。

Oracle やっぱり Sun がスキ! Blog: ssh を使わない zfs send/recv

送信側

# zfs send -R tank@backup | mbuffer -O new_host:10000 -s 128k -m 512M

受信側

# mbuffer -4 -I 10000 -s 128k -m 512M | zfs recv -v -F tank/pool

-4を付けないと、デフォルトではIPv6でしかリッスンしていないようでした。
普通の1000BASE-TなLANですので、それなりに時間がかかりました。転送量7.76TiB、平均転送速度111MiB/sで約20時間かかりました。早く10GbE化したいですね。

summary: 7947 GiByte in 20h 16min 59.6sec - average of  111 MiB/s

ベンチマーク

マシンの構成は、新たにメモリ4GBを追加して計8GBにした他は購入時の構成のままです。

SMB経由のスループットのベンチ結果を貼っておきます。
(SMB 3.1.1, Client: Windows 10 Pro)
移行前と比較して、Q32T1のWriteが倍以上になったほかは大差ないようです。

消費電力は、iRMCから見るとアイドル時 39Wほど。ファイル転送時でも57W程度のようです。思ったより省電力でした。

iRMC 消費電力

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