ばびぶべぼ語の起源

ばびぶべぼ語の変換規則からして「はさみことば」の一種と考えるのが妥当である。
「はさみことば」については、辞書を引いてみると以下のように示されている。

はさみことば 【挟み詞・挿み語

  1. 文書の間に挿み入れた言葉。挿入語。挿入句。
  2. 江戸時代、明和(1764-1772)頃に深川遊里から流行した言い方。言葉の中に種々の音節を挟み、仲間以外の者には理解しにくいようにしたもの。言葉の各音節のあとに、それと同列のカ行音をはさむものが普通。「いやなひと」を「いキやカなカひキとコ」という類。また、どの音のあとにもキやシをはさむものなどもあった。のちには子供の遊びとなった。唐言(からこと)。

“三省堂 大辞林”より引用

Wikipediaにも「入れ詞(いれことば)」としてページが存在する。 また、「小林祥次郎の発掘・日本のことば遊び」にて、はさみことばが取り上げられており、詳しい歴史的考察がなされている。

どうやら江戸時代から存在しており、深川の遊里で流行。その頃は「隠語」として用いられていたようだ。 当時はカ行をはさんでいたとのことだが、慣れていないので言いにくい。他にも様々バリエーションが存在していたらしい。 しかし、ば行をはさんだ「ばびぶべぼ語」が現代の子供たちの間で特に知られている理由は謎ではある。

ことば会議室では、1998年のばびぶべぼ語に関する議論を見つけることができる。投稿者の中には昭和40年代前半に小学校で流行っていたという声や、関連する文献などが挙げられている。

  • 「子どもの遊びのことばの共同研究 (特集・子どもの遊びのことば)」, 言語生活 (160), 64-68, 1965-01, 筑摩書房.(https://ci.nii.ac.jp/naid/40001067142)
  • 原口愚常(1997), 「秘密語の諸相 ―子供の言葉遊びの分析― 」, 言語文化論集1, 筑波大学.

私はこの分野は全くの素人ではあるが、原口先生の論文には言語学の観点から「バビブ語」としていくらか記述があるらしい。どこかで機会があれば一読したいと思う。英語ではあるがGoogle Booksでは以下の論文が見つかった。全文は見られないが p.62 “3.2. The Babibu language” とある。

  • Haraguchi, Shosuke. “Syllable, mora and accent.” Phonological structure and language processing: Cross-linguistic studies (1996): 45-75. ( Google Books )

2011/4/30 追記

最近、Google検索で「バビ語」と検索したのだが、こちらの方が認知率が高いのだろうか。(2016/8 検索結果数更新)

バビ語
約 112,000 件
ばびぶべぼ語
約 13,000 件

大きく開きがあることが分かる。

不思議に思い、各種サイトを巡回していると2011年2月17日にTBS系で放送された『ひみつの嵐ちゃん』1で紹介されたそうなのだ。

番組内では「バビ語」と呼称し、ゲストの桐谷美玲がすらすら話す様子を披露していたとのこと。

嵐には詳しくないが、やはり人気があるだけに影響力があり、多くの視聴者が個人ブログやSNSなどで言及するようになったと推測される。 インターネット上でも情報が少なかった中、新たな情報が入ってきて面白い。 ただ一つ引っかかる点は、番組上で”若者文化”として紹介されている点である。 以下で詳しく述べるが、現在の若者の間だけに流行ったものではない。 若い頃に流行った、と言う意味ならば正しいかもしれないが。

例の番組放送後に寄せられた大手Q&Aサイトの投稿を見てみる。
(※他にも、個人ブログ、サイト等の情報も参考にしている部分がある)

興味深い内容だ。

小中学校で現在進行形で流行っている・使っている、と言う声から、その親の世代、数十年前と広い年代に渡って知られているようだ。 さらに、田舎から都会まで、また関東圏に限らないみたいだ。 呼称については、30代・40代では「バビ語」と呼ばれているのは知らなかった、との声が多い。 「バビ語」との呼び方をしているのは比較的若い世代、最近だということである。

若しくは、別の呼び方をしていた or 呼称が無かった、という人が例の番組を見て「バビ語」という呼称に訂正しただけかもしれない。 ご年配の方々からの情報も欲しいところだが、情報発信される方が少ないのが現状だろうか。

2018/12/26 追記

久々に、ふとばびぶべぼ語について検索してみると、またTV番組で取り上げられたとの情報を見つけた。

日本テレビ系列放送の番組「バズリズム02」の2018年7月7日の放送回にて、けやき坂48のメンバーである齊藤京子の特技として「バビ語」が披露されたらしい。アクセス解析を見てみると、この前後では本ページへのアクセスが平時の数倍に伸びていた。

こうして度々メディアに取り上げられ、またSNS等で拡散されることで、この言葉遊びが今もなお継承されていると思うと感慨深い。


  1. リンク切れのためInternet Archiveの2014/12/21時点での記録を参照 [return]